サテュロス、パーン、牧神、牧羊神、半獣神、ほか

サテュロスやパーンの事典のようなブログにしたいと思っています

古典系

オウィディウス『変身物語』

オウィディウスによる『変身物語』をご紹介いたします。 原著は紀元後8年の作で全15巻。「変身」という事象を軸に250もの物語が収められた、ギリシャ神話の集大成とも言うべき書物です。 何らかのギリシャ神話関連の本を読んでいて、出典に「Ovid, Met.」と…

オルペウス讃歌-シレノス、サテュロスとバッケー讃歌(AthanassakisとWolkowによる)

パーン讃歌に引き続き、今度はオルペウス讃歌第54番の「シレノス、サテュロスとバッケー讃歌」をざっと読みたいと思います。"The Orphic Hyms"(Apostolos N. Athanassakis and Benjamin M. Wolkow, Johns Hopkins University Press, 2013)という本が原本です…

オルペウス讃歌-パーン讃歌(AthanassakisとWolkowによる)

以前行き当たりばったりなオルペウス讃歌に関する記事を書きましたが、 satyrshouse.hatenablog.com こちらに出てきた「Apostolos Athanassakisによる新訳」を運良く入手しましたので、パーン讃歌からざっと見ていきたいと思います。 "The Orphic Hyms"(Apos…

ピンダロス

西洋古典叢書シリーズが続きますが、今回もそちらからピンダロスの『祝勝歌集/断片選 西洋古典叢書 第Ⅱ期第13回配本』(ピンダロス、内田次信訳、2001、京都大学学術出版会)をご紹介いたします。 www.kyoto-up.or.jp ピンダロスは紀元前6〜5世紀のギリシャ…

ウェルギリウス 牧歌/農耕詩

テオクリトスに続きまして、今度はウェルギリウスの『牧歌/農耕詩 西洋古典叢書 第Ⅲ期第3回配本』(ウェルギリウス、小川正廣訳、京都大学学術出版会、2004)をご紹介いたします。 今回も公式ページへのリンクをば www.kyoto-up.or.jp ウェルギリウスは紀元…

オルペウス讃歌-Thomas Taylorによる注釈を主に

今回は自分でもいまいちわかっていない話なのでメモ程度に。 古代ギリシャには「オルペウス教(オルフェウス教)」と呼ばれる宗教があったといいます。 オルペウス教は伝説の詩人オルペウスを開祖とする宗教であり、紀元前7〜6世紀ごろから普及したとされま…

テオクリトス 牧歌

『牧歌 西洋古典叢書 第Ⅲ記第7回配本』(テオクリトス、古澤ゆう子訳、京都大学学術出版会、2004)をご紹介いたします。 でかい本屋に行けばたいがいズラっと並んでいる西洋古典叢書のうちの1冊です。新しめの本なので図書館にもあると思います。 せっかくな…

アポロドーロス『ギリシア神話』(ビブリオテーケー)

アポロドーロス『ギリシア神話』(高津春繁訳、岩波書店、1998)をご紹介します。 原著は1世紀から2世紀の作、岩波文庫版は初版が1953年とのことです。私が持っているのは第65刷。 ド定番なので大概の図書館にあるでしょうし本屋にも大概あるでしょう。なか…

サテュロス劇とは何か

中務哲郎による「サテュロス劇とは何か」をご紹介いたします。 テキストは『ギリシア悲劇全集別巻 第十二回配本(全十三巻・別巻1)』(岩波書店、1992)にあります。 全体がギリシア悲劇を読み解くに際し役に立つ知識で固められた一冊ですが、その中にサテ…

アミンタ

トルクァート・タッソによる牧歌劇「アミンタ」をご紹介します。 テキストは『愛神の戯れ』(トルクァート・タッソ著、鷲平京子訳、岩波書店、1987年)で読めます。 岩波文庫に強い感じの古本屋やデカめの古本市などに行けば見つかるんじゃないかと。 「アミ…

人間嫌い

メナンドロスによる喜劇「人間嫌い」のご紹介です。 テキストは『ギリシア喜劇全集5』(訳者:西村太良、川上穣、吉武純夫、広川直幸、平山晃司、岩波書店、2009年)で読めます。 大きめの図書館に行けばあるかもしれないし無いかもしれない。 「人間嫌い」…

パーン讃歌 / ホメーロスの諸神讃歌

「諸神讃歌」と当たり前のように言ってきましたが、そういえばそのものの情報が全くなかったので、『ホメーロスの諸神讃歌』(ホメーロス著、沓掛良彦訳注、平凡社、1990年)のご紹介です。 全体の主な説明はウィキペディアにも載っています。 ホメーロス風…